さて、今回は小アルカナの「ⅤⅡⅡ」をみていきます。
ちなみに、ローマ数字の使い方からも、数秘への考え方が見受けられます。
9は一般的にはⅨ(10から1をひいた形)で表現されますが、あくまでもマルセイユ・タロットではつみあがっていくという観点でⅤⅡⅡが使われています。
持っている数字は大アルカナのものと共通することはもちろん、頭の片隅においておきましょう。
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9は、奇数の最高数ではありますが、タロット数秘的には偶数的な受容の側面も持ち合わせていて、両性具有的な数字です。
サイクルの終りとなる変化=危機を告げる数字です。大アルカナの「隠者」と「太陽」は、同じ9のエネルギーを持ちますが、一つのサイクルが終り、新しい始まりという部分では共通していますが、「隠者」は、孤独の中で自らを実現するのに対し、「太陽」は相互の助け合いと愛情に満ちた結合を創り出しているところでは対照的になっています。
新しい何かが始まるときは、今までの安定が崩れていく、変化への恐れ、危機感が生まれます。そういう意味ではそれぞれの性質によって「9」の現れ方が変わってくるともいえるでしょう。
まず、受容側の杯と金貨をみていきます。
最初に杯ですが、3つずつきれいに並んでいますが、杯の間にはうなだれた葉がたれさがっており、下の3つの杯を過去のものとして切り離していくことを示唆しています。より大きな次元に向かう6つの杯を支えていく形になっています。ある程度の犠牲を払う、手放すことで次の次元に移る準備をしていきます。
次に金貨をみていくと、「8+1=9」の構図になっています。杯のような廃絶という概念はなく、中心に新たな誕生をみてとれます。赤と青で縁取られた青い楕円を形成する枝で囲まれている。女性器のようにもみえるかたちになっています。新たな物質的状態が間近に到来するというメッセージが込められています。
次に、能動側をみていきます。
剣は黄色になり、よく見ると真ん中には、水平の断線があり、ひび割れを示している。これは知性が「わたしのもの」から、「わたしとあなた」であるものを示すかのように、2つにわかれている。これは今まで一人で孤独に磨き上げてきた知性が、他者へ耳を傾けることを学ぶ新たな境地に入ったことを示します。
一方で、棒は対照的に排除されていく様子が描かれています。葉も、花もいっさいなくなり、軸を赤と青の中心が交差する場所へ結び付けている。一番シンプルに描かれているこのクリエイティビティの世界は、大きなものを生み出すための嵐の前の静けさのような迫力を秘めています。すべてを犠牲にして次のステージに注ぎ込んでいくような、そういう覚悟、または今までのものへの執着を手放していくことも示します。
同じⅤⅡⅡのエネルギーでも、それぞれの要素によって違ってくる小アルカナの特徴は、深く興味深いものですね。
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